中村哲医師が銃撃された事件。なぜ撃たれた?今わかっている真相をシンプルにまとめる
アフガニスタンで長年復興に携わってきた、NPO「ペシャワール会」の中村哲医師が、2019年12月4日に射殺された事件で、
なぜ中村哲医師が撃たれたのか、SNSなどでは悲しみの声で埋まっております。
私も気になった、中村哲医師はどういったお方であったのか、またなぜ撃たれねばならなかったのか。
シンプルにまとめてみました。
◾️中村哲とは
- 福岡県福岡市出身
- 国内病院勤務ののち1984年、パキスタン北西辺境州の州都ペシャワールに赴任
- 20年以上にわたってハンセン病を主とする医療活動に従事
- 1983年に、ダラエヌール診療所、灌漑事業、農業事業、訓練所での取水技術の普及を主な活動としているペシャワール会を設立
- アジア文化賞大賞、イーハトーブ賞など数々の賞を受賞
- 2018年にはアフガニスタンの国家勲章を受章
やってきたことを見る限りは、イスラム諸国の復興に力を注いでおり、銃撃をされるなどとは到底思えないですよね。
◾️ペシャワール会とは
- 中村哲医師のパキスタンでの医療活動を支援するために結成されたNPO団体
- 病気の原因として食糧不足と栄養失調があることから、ダラエヌール診療所、灌漑事業、農業事業、訓練所での取水技術の普及を主な活動としている
詳しくはこちら。
◾️事件の経緯
- アフガニスタンの東部ナンガルハル州の都市ジャラーラーバードにて、車で移動中に何者かに銃撃を受け、右胸に一発被弾
- 負傷後は意識があったが、さらなる治療のためアメリカ軍のバグラム空軍基地へ搬送が決まる
- 搬送途中に再度銃撃を受ける
- 中村哲医師と車に同乗していた5名(運転手や警備員など)もこの銃撃により死亡
◾️テロ組織の犯行?
事件を受け、テロ組織の犯行であると考えるひとが多かった中、
タリバンは組織の関与を否定。
一方でアフガニスタン大統領のアシュラフ・ガニーは「テロ事件である」とする声明を発した。
◾️なぜ銃撃されたのか
現在犯行声明も出ておらず、タリバンも関与を否定。
目的はわからないままだ。
筆者としては腑に落ちず情報収集をしたが、
やはりタリバンを含む、テロ組織の無差別犯行である可能性が高いと見ている専門家が多いことが事実ある。
なので今回は、なぜイスラム教徒にテロ組織が多く、なぜ組織は無差別テロ、殺害を起こすのか、わかる範囲でまとめていきたいと思います。
◾️イスラム国家でなぜテロが多いのか。現状を含めて解説
9・11が皮切り?
専門家の中には、テロを過激化させたのは、9・11によるアメリカ諸国の報復だという説もある。
9・11はオサマ・ビンラディン率いるアルカイダがアメリカで同時多発テロを起こし、3000人以上の死者が出た事件だ。
テロの報復としてアメリカをはじめとする多国籍軍は、アフガニスタンやイラクをテロの温床とみなして攻撃し、それがテロをより過激化させたと言われている。
他にも原因はある
- アラブ諸国で次々と民主化運動が起こり独裁政権が倒れる。秩序が崩壊し、政情不安に陥る国が続出した
- 先進国と途上国との格差、また先進国内の格差も深刻化しており、貧困生活者の不満と敵意がテロに繋がることがある
- インターネットの普及により、テロ組織のネットワーク化と新たなテロリストの勧誘がよりスムーズに。爆弾は小型化して遠隔操作が可能になった
アメリカ諸国の報復だけではなく、国の情勢、アラブ諸国から先進国への移民の経済状況や扱い、インターネットの普及までが大きく関連しているようです。
ホームグロウンテロリスト?
ホームグロウンテロリストとは、豊かな欧米諸国で育ちながら過激思想に染まり、テロを起こす人々のこと。「新世代のテロリスト」ともいわれている。
ホームグロウンテロリストはイスラム圏からの移民2世、3世、貧しい移民地区での失意に苦しむ少年・少女が成長してなることが多い。
アルカイダなどのインターネットを利用したPRに感化されたり、
モスクなどで声をかけられて過激思想に繋がるケースが多いようだ。
9・11以前は?
もちろん原因は9・11に限ったものではない。
実はイスラム諸国は歴史上長い間、欧米諸国に虐げられてきたのだ。
冷戦時代でも欧米諸国は中東を都合よく利用して、冷戦が終わった後も、さまざまなかたちで介入を続けてきた。
こういった長い歴史の怒りが溜まりに溜まる中、9・11で爆発したというのが、大きな原因だと語る専門家が多い。
◾️ではなぜ日本人が狙われなければならないのか
ご存知の通り、日本人が狙われたのは今回が初めてではないのだ。
日本はISという組織の標的になっている。
日本は今、別に安全な状態ではないのだ。
「日本はアメリカとともに“十字軍”に参加した」?
2015 年1月20日にYouTube上に衝撃的な映像が公開された。
ナイフを手にしたイスラム国の構成員と見られる覆面の男が、オレンジ色の服を着せられた日本人男女2人をひざまずかせ、日本政府と日本国民に対し、72時間以内に2億ドルが支払われなければ人質の命はないと警告する動画だ。
なぜ2億ドルなのか。
中東歴訪中だった安倍首相はその動画がアップロードする直前に、
「イスラム国と闘う各国に、2億ドル程度の支援を約束する」と発表していたのだ。
この発表はイスラム国への敵対を大きく表したものとなり、イスラム国は 「日本は “十字軍(欧米諸国)” に参加した」と判断したのだ。
この動画ののち、捕らえられた日本人男女は殺害されている。
◾️なぜ銃撃されたのか
改めてここに戻るが、
前述の通り、様々な要因で日本、または日本人はテロ組織から怒りを買い、無差別に殺害された人もいる。
専門家の意見では、中村哲医師もその一人だったのではないかと語る方もいます。
◾️まとめ
本当のことはまだわかっておりません。
無差別の殺害かもしれないし、他に理由があるかもしれません。
真相が明らかになるのか、ならないのかはわかりませんが、日本または日本人は安全な状態ではなく、今後の日本や欧米諸国の動きによってはこれ以上に怒りを買う可能性があるということを理解しておくべきかもしれない。
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